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(1F・2F)田島征三個展「イノチのけはい」
1F・2F【田島征三 個展 「イノチのけはい」】
7月27日(火)~8月8日(日) 〈8/2(月)休廊〉
12:00~19:00(最終日~17:00)
田島 征三(Seizo Tashima)
1960 第一回全国既成観光ポスター展、金賞および特別賞
1963 毎日現代美術展
1965 第一回個展(南天子画廊)
1968 絵本「ちからたろう」で世界絵本原画展で金のリンゴ賞
1974 「黒い太陽七人の画家・第一回人人展(斎藤真一、中村正義、山下菊二らと)」
1974 絵本「ふきまんぶく」講談社出版文化賞
1989 絵本「トベバッタ」で年鑑イラストレーション作家賞、小学館絵画賞
2003 二十世紀池田美術館個展
2005 練馬区立美術館三人展(谷川晃一・宮迫千鶴と)
2006 高知県立美術館二人展(田島征彦と)
2008 平塚市立美術館個展
2009 越後妻有アートトリエンナーレ廃校を丸ごと作品に「絵本と木の実の美術館」
2010 絵本「オオカミのおうさま」日本絵本賞
2011 ふくやま美術館個展
2013 瀬戸内国際芸術祭ハンセン病収容所のあった島で「青空水族館」
「森の小径」「Nさんの人生」を制作
2018 伊藤忠の新聞広告イラストレーションでADC賞
2019 巌谷小波文芸賞
2021 ENEOS児童出版文化賞
絵本「つかまえた」で産経児童出版文化賞美術賞
2冊の絵本
絵本「つかまえた」は、少年と⿂の愛の物語なのだ。⽔の外に住んでいる少年は川に棲む⼤きな⿂と繋がることは出来ない。⼀⽅絵本「とわちゃんとシナイモツゴのトトくん」は、⽔に棲む⼩さな淡⽔⿂と少⼥の物語だ。少年から⾒た⿂と、⿂から⾒た少⼥の絵本です。
後者の主⼈公はむしろ⿂の⽅で、絵本の中には主⼈公の⼩さなシナイモツゴの他にも、沢⼭の⽔⽣⽣物が描かれている。彼らの中には成⻑すると⽔から外に旅⽴つものも、⼦どもの時は⽔の中でしか成⻑できません。⽔は彼らにとって命の源なのだ。
地球は⽔の星。⽔の中の⽣き物だけでなく、陸にすむ⼈間も⽔がなければ⽣きられない。植物も⾍も⿃もケモノも、⽔を必要としている。川や池や海を化学物質や原発の毒で犯してはならない。
イノチの気配・鉄による表現
ぼくの美術館「鉢&⽥島征三 絵本と⽊の実の美術館」のある、新潟県⼗⽇町市の⼭間の鉢という集落の奥に、⽔たまりのような⼩さなため池があって、そこに⼩さな⿂が⽣息していた。
ため池が土壌整備事業で埋め⽴てることになって、ビオトープの池に救出。ため池では少数の⿂がやっと⽣きていたんだが、ビオトープに来て繁殖して増えちゃった。この⿂がシナイモツゴという絶滅危惧種で⾮常に珍しい⿂だったんだ。このビオトープ、⼩川、⽥んぼのシナイモツゴたち、⽔カマキリ、メダカ、ドジョウ、タニシ、コオイムシ、クロゲンゴロウなどの⽔⽣⽣物や、アナグマやタヌキ、イタチなどのほ乳類、去年の春には、カモが巣を作って、⼦どもを育てた。そういう場所を作品として、⼈々に⾒せたい。ここにいる⽣きものそのものが芸術なんだ。
地球の環境が急速に破壊されようとしている今、こんなちっぽけな場所に棲むちっぽけな⽣きものに注意をはらう⼈は少ないと思うけど、ぼくはここにある「いのちのケハイ」をアート作品として表現することを選んだのだ。
イノチえがく具象画・タマシイえぐる抽象画
1965 年、最初の絵本「ふるやのもり」が福⾳館書店から出版された。(この絵本は今も出ている)同じ年に初めての個展を「南天⼦画廊」で企画展。(この画廊は今も現代美術を扱う画廊として有名)25 才の時だった。
56 年前、ぼくは絵本の画家とタブロー作家の⼆⾜のワラジで歩き始めたことになる。でも今、思い返しても絵本の絵と純粋美術の絵画との区別なんかなかった。
1969 年東京の⻄、⽇の出村(当時)に移住、⼭⽺や鶏を飼い、畑を耕す⽣活を始め、いきものと向き合う創作活動をするようになると、⼤地と動物の⾁体の重厚さや熱を表現するために、泥絵の具をぬり重ねて絵本「ふきまんぶく」。⼀⽅キャンバスに⼭⽺や鶏や畑の野菜を油絵具でコッテリと制作した。
1975 年に出版した「やぎのしずか」という絵本がブレイクし、お⾦も⼊り、35 才で世間に評価された事に腹を⽴て、今までと全く異なる絵を制作するために、5 年間もがき苦しんだ挙句、1980 年新しい絵画世界に到達した。絵本「くさむら」(1982)は抽象画の世界に⾜を踏み込んでいる。
抽象画世界を体験すると、具象に逆もどり⾃由、画材も⽀持体も⾃由。廃棄物巨⼤処分場反対闘争で森の中に暮すうちに、⽊の実など⾃然物もモチーフになり、伊⾖に引っ越すと流⽊も材料になり、⽴体の空間へ。
2009 年「絵本と⽊の実の美術館」は、廃校そのものを作品にした。空間がぼくのアート世界になってから具象↔抽象を⾏き来する。そして 2021 年、鉄の巨⼤オブジェの制作が始まった。この細部には具象を思わせる個所もあるが、抽象を⽬指している。環境問題や社会的なテーマのようにベクトルの強い作品は、抽象では困難を極めると考えていたが、乗り越えてみようと思う。抽象の世界に具体的な発⾔を持ち込み、⼒づくで捻り込む事に快感すらもよおすのだ。
抽象形体には暴⼒性が滲み出てくる。その⼒を発⾔の武器として考えられないか。もちろん具体的な内容は表現できないが、⽅向性を暗⽰できるように思う。優しさと、あったか味を備えた⼒強い型躰。
◆ヒルゲート夜話市民講座Bコース◆
講師 田島征三
『イノチえがく具象画・タマシイえぐる抽象画』
7月31日(土) 18:30~20:00 ギャラリー1F
参加費 1,000円(学生500円) 定員20名(要予約)→35名(要予約)
※定員について…緊急事態宣言と蔓延防止措置が解除されたため、定員を増やすこととなりました。ご了承くださいませ。
(1F)第24回 板遊会展(朝日カルチャーセンター京都 勝山正則木版画教室)/(2F)勝山正則・春枝展
1F【第24回 板遊会展(朝日カルチャーセンター京都 勝山正則木版画教室)】
2021年7月20日(火)~7月25日(日)
12:00~19:00(最終日~17:00)
2F【勝山正則・春枝展】
2021年7月20日(火)~7月25日(日)
12:00~19:00(最終日~17:00)
勝山 正則 (Masanori Katsuyama)
1942 京都市に生まれる
1957 独学で木版画をはじめる
1971 京都市の平安画廊で初の個展を開く(以後2008年まで)
その後、京都・東京・出石(兵庫)・青谷町(鳥取県)・名古屋・
長野・ 奈良・富山・静岡・滋賀・広島など各地で個展を開く
1974 全関西国画会新人賞受賞
1987 毎日新聞社世界歴史都市会議に寄せて「京は甦るか」、に木版画挿絵連載
1988 日本版画会に出品、初入選。以後継続出品
1990 朝日新聞京都版「ワンダーランド」に木版画挿絵連載
1996・97 日本版画会選抜展出品
1997 プノンペン(カンボジア)で木版画の指導 個展を開催
棟方記念版画大賞展入賞
2001 関西版画会創立(主宰)
2002 キエフ(ロシア)で個展
2003 取県青谷町立あおや郷土館で「因州和紙木版画展」を開催
(主催:青谷町教育委員会・あおや郷土館)
日本版画会にて日本版画会賞受賞
2005 関西版画展にて因州和紙による版画展との交流、
後援:毎日新聞社大阪本社、協力:あおや郷土館
(関西版画展第1回よりカナダ版画協会とも交流)
スペイン・バルセロナのサン・アングレウ区役所のギャラリーで個展
ピカソが卒業したリョッチャ美術学校で木版画制作の講義・実習
2006 鳥取市あおや郷土館で「関西の作家による現代版画展」
(主催:鳥取市教育委員会・あおや郷土館、協力:関西版画会)
「全国版画選抜展」鳥取市青谷町・あおや和紙工房主催
2008 鳥取県・岩美町観光会館2階ギャラリー(浦富八景勝山正則木版画展、
主催:岩美町、観光(岩美町)協会)
東京・第49回日本版画会展にて萬華賞受賞(竜神洞・・・浦富八景より)
2009 京都・ギャラリーヒルゲート「勝山正則展」
2010 ハワイ(アメリカ)で個展
京都・ギャラリーヒルゲート「勝山正則・春枝展」(以後毎年開催)
2016 朝日新聞京都版文化面 俳句・短歌欄の挿絵担当(現在も連載中)
2018 関西版画会 解散
2019 京都・長岡天満宮 神楽殿「勝山正則・春枝 版画展」
現在 日本版画会会員
勝山 春枝 (Harue Katsuyama)
1942 京都生まれ
1960 京都市市民アトリエにて銅版画習得、 京都を中心に個展・
グループ展で活動
2006 独学で木版画(布と和紙を使って)制作、 日本版画会展 出品
以後毎年出品
2010 第51回日本版画会展 奨励賞
版画フォーラム 和紙の里ひがしちちぶ展
出品以後毎年出品(様々な賞を受賞)
ギャラリーマーヤにて個展(高槻市)
2013 版画フォーラム 10周年記念パリ展 選抜出品
「五次元KYOTO展」にてリチャード・ブラック・ストーン氏お買上げ
(在ニューヨーク)
現在 無所属
勝山さんご夫妻には私が京都支局長を務めていた時から、何度か展覧会のご紹介記事を書かせていただきました。黒と白。墨と和紙。モノトーンで表現される世界でありながら、正則さんの作品を拝見する時、私は日だまりにいるような気持ちになります。一方、素材の魅力を浮かび上げる春枝さんの作品は「あなた、そのままでいいのよ」と見る人に語りかけているみたいで、素顔の自分を認めてくれるような温もりを感じます。やはり、作品は作り手の人柄がにじみ出るものなのでしょう。
「退院する日が決まりました」。 か細いながら、しかし、聞き慣れた、しわがれた声で病室から正則さんから電話がかかってきたのは今年5月7日の夕方でした。手術を受けられて1カ月。春枝さんと長男基樹さんの献身な支えをよそに、胸をなで下ろしたことは言うまでもありません。
同じ年のご夫妻。傘寿を来年に控え、これまでと変わらず、お二人一緒に創作に向き合われることでしょう。「復活展」。今回の二人展のお話しを伺った時、そんな言葉が浮かびました。大いに祝い、大いに楽しみたいと思います。
今西拓人・毎日新聞記者
(1F・2F)京都二紀小品 展
1F・2F【京都二紀小品展】
2021年7月6日(火)~7月11日(日)
12:00~19:00(最終日~17:00)
〈出展作家〉
生駒 泰充 日下部 直起 黒田 冨紀子
赤木 睦代 金田 千加子 近藤 慧子 坂田 芳孝
根垣 睦子
一道 万羅 岩本 敬子 金山 雅幸 小泉 広明
コスゲ カズコ 後藤 裕子 城野 秀世 田嶋 香里
築山 佳民 東樋口 美智子 西村 育子 西山 彰
樋口 健介 平坂 美嵯子 吉田 えり子
赤松 悦子 稲垣 正子 今井 美陽 岩日 召子
大音 康史 河南 久子 喜多村 みづほ 桑名 志乃ぶ
桑原 博司 小寺 信子 重川 淳子
下林 幸子 田中 郁子 田中 聡子 田中 那智子
堂前 美枝子 富田 由基子 秦 登志夫 早見 富美子
藤本 淑成 本土 彰 南 峰世 村山勇 護邦 ちとせ
安田 紀子 吉元 暁子