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2022-05

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1F【大槻睦子 個展】(日本画)/2F【山根康代 小品展 -ドローイング・版画-】(新制作協会 会員)

1F【大槻睦子 個展】(日本画)
5月31日(火)~6月5日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)

’22大槻睦子個展 表’22大槻睦子個展 裏

大槻  睦子 Ohtuki Mutuko
1956年 京都市に生まれる
1978年 京都市立芸術大学美術学部日本画科 卒業
1980年 京都市立芸術大学日本画専攻科 修了
1983年 奈良芸術短期大学 日本画コース 勤務
1988年 第15回 創画展 初入選

創画会賞・創画会春季展賞・京都市長賞
現在 創画会准会員 奈良芸術短期大学特任教授
 

2014年、私は現代詩を代表する詩人の一人である金 時鐘(キム シジョン)さんに出会いました。そして翌年の夏、金さんに導かれて詩人や小説家、詩の仲間たちと共に信州旅行へ行きました。
 無言館では戦死した美大卒の若者たちの無念。ダム湖では英米の捕虜や徴用工たちの理不尽な死。満蒙開拓団の悲惨な末路。松代象山地下壕の生々しいノミの跡。そしてまた信州は昭和農業恐慌で売られて性奴隷になった少女が多数出た地でもあります。
 「時は過ぎ去ってゆくものですか?その場にとどまっているのではありませんか?」という金さんの問いを自分の心にも問うて風景を見ると、信州の山々や湖には理不尽な目に遭った人々の魂が沈んでいるような気がしました。
 その後数年間、私は信州に写生に通って魂の痕跡を探し、その魂に寄り添う方法を探してきました。ところが、ふと自分のまわりを見渡すと、私の現在の生活の周辺にも理不尽な目にあった人たちが大勢居ることに気づきます。フタをして無かった事にして、見えないふりをして生きていくのはいけないことだと私は強く思っています。
 ただ思うこと、絵を描くことしか出来ないけれど、そんな魂たちに少しでも寄り添いたいと願っています。
                         大槻 睦子

村    
金 時鐘
自然は安らぐ
といった君の言葉は改めなくてはならない。
しずけさに埋もれたことのある人なら
いかに重いものが自然であるかを知っている。
ナイルの照り返しに干からびながらも
なお黙りこくっているスフィンクスのように
それは誰にも押しのけようがない
深い憂愁となってのしかかっている。
取り付いた静寂には自然とても虜なのだ。


自然は美しい、という
行きずりの旅ごころは押しのけねばならない。
居着こうにも居着けなかった人と
そこでしかつなぎようがない命との間で
自然はつねに豊かで無口だ。
喧噪に明け暮れた人になら
知っているのだ静寂の境がいかに遠いかを。
一直線になぜ蜥蜴が塀をよじり
蟬がなぜ千年の耳鳴りをひびかせているかも。
出払った村で
いよいよ静寂は闇より深いのだ。


2F【山根康代 小品展 -ドローイング・版画-】(新制作協会 会員)
5月31日(火)~6月5日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)

22山根康代小品展 画像面22山根康代小品展 宛名面



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🌸 2022年ヒルゲート夜話市民講座の予定🌸 6月~12月

2022年ヒルゲート夜話市民講座  










ヒルゲート倶楽部会員の方は5% off

Bコース  開催時間は各々に異なります

 田島征彦(絵本作家・染色家)「『なきむしせいとく』―沖縄戦を経験して」

会場変更しました 618()18:3020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)

※田島征彦先生のトークが早くも定員に達したため、会場を変更することとなりました。

定員110名に増えましたので、皆様のご参加を心待ちにしております。

6月18日18:30~20:00(受付18:00~)

参加費:1,000円(学生500円) 定員:110名(要予約)

会場:ウィングス京都(京都市男女共同参画センター)

2階セミナー室 A・B

〒604-8147 京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262番地

075-212-7490(代表)

※お申込は下記の連絡先(ギャラリーヒルゲート)までご連絡ください。


 岡村幸宣(原爆の図丸木美術館 学芸員)

「原爆の図 前史-赤松俊子(丸木俊)と丸木位里の絵画の出会い」

729()18:3020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)


 松谷武判 トーク

「滞仏56年の思い出」(仮題

併せてポンピドゥーセンター個展の記録フィルム上映

101()17:0019:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)

→詳細が決定しました!![最新の夜話講座のお知らせ]をご覧くださいませ。


対談 池田良則(画家)×徐京植(作家・東京経済大学名誉教授)

「沖縄を語る」(仮題)

1216()18:0020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)


Aコース 

 尾崎眞人 (京都市美術館 前学芸課長) 

※今年は第2金曜日に変更します。ご注意下さいませ。

1 1014() 2 1111() 3 129()

今年のテーマ、各回のタイトルは決定次第Webサイト等にて発表致します。

いずれも19:1020:40 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)

 


★ご予約はメール又はお電話にて承っております。

ご来廊の際にスタッフへお申し出くださっても結構です。

皆様のご参加をお待ちしております。

mail : hillgatekyoto@gmail.com

tel : 0752313702

2022年7月~12月の予定【ギャラリーヒルゲート通信 No.51】

2022年7月から12月の予定

628()710()

7/4()休廊〉

12F

29回 心に響く小品展

池田良則・木代喜司・烏頭尾精・小林敬生・坂爪厚生・田島征彦・司修・中林忠良・野見山暁治・林康夫・平岡靖弘・馬越陽子・松谷武判・村山明 他

152人の現役作家の油彩・水彩・日本画・版画・写真・彫刻・工芸の小品

75()1225()

奥庭

具象彫刻二人展 木代喜司・宇治川久司 (月曜休廊)

712()717()

12F

15回 京都二紀 小品展

生駒泰充・日下部直起・黒田冨紀子 他

719()724()

1F

‘22京都銅版画協会 ミニアチュール 展

2F

京都銅版画協会 特別展示 前川秀治 展

726()731()

12F

シリーズ第5回 池袋モンパルナスの青春

―生誕110年 丸木俊を中心に― 麻生三郎・小熊秀雄・田中佐一郎・寺田政明・野見山暁治・丸木位里・丸木俊・山本恪二・吉井忠

82()87()

1F

西山 彰 展 (二紀会準会員)

2F

江川 恵 展 (日本画)

89()814()

1F

坂本 摩七美 ―古風なメヌエット (油彩・テンペラ 他)

2F

上田 三佳 展 (ミクストメディア)

816()821()

1F

25回 板遊会 展 (木版)

2F

勝山 正則・勝山 春枝 二人展 (木版)

823()828()

12F

夏期休廊

830()94()

1F

11回 伊藤 隆 展 

―町並彩歩―

2F

30回 洛楽展 (洛南高校美術部OB)

96()918()

9/12()休廊〉

12F

司 修 展 ― 絵本『まちんと』原画 と新作絵画(パステル・水彩・銅版・木版・ミクストメディア他)

920()102()

9/26()休廊〉

12F

松谷 武判・神野 立生 二人展

ドローイング・銅版・インスタレーション等の展示

104()109()

12F

八田 哲 展 ―京都想々― (日本画)

1011()1016()

1F

NY 作家6人 展 (ニューヨーク在住の日本人作家6)

2F

9回 上杉 尚 展 (水彩 他)

1018()1023()

12F

青木 敏郎 個展 (油彩・ドローイング)

1025()1030()

12F

新制作協会 関西会員展 (油彩・アクリル・ミクストメディア)

一居孝明・上岡真志・河村雅文・小林一彦・田中直子・中井英夫・蛭田均・馬渕哲 他

111()116()

12F

14回 瓜生山学園 京都芸術大学 通信教育部 洋画研究室展

(教員約25人の作品)

118()1113()

1F

岩井 晴香 展 (創画会准会員) (日本画)

2F

川端 祥夫・ドローイング

1115()1120()

1F

企画展 調整中 (6月中にWebサイト等にて発表致します)

2F

たくま たえこ 油絵展

1122()1127()

12F

一居 孝明 展 (新制作協会会員)

1129()124()

1F

奥田 輝芳 展 (ミクストメディア)

2F

篠原 涼子・山岡 明日香 二人展 (油彩・アクリル・水彩)

126()1211()

12F

廣田 政生 展 (独立美術協会会員) (ミクストメディア)

1213()1218()

12F

池田 良則 展 ―沖縄を描く― (日展会員) (油彩・ドローイング)

1220()1225()

1F

丸山 勉 日本画展 (日展会員)

2F

水野 朝 展 ―これがわたくし・朝― (名古屋画廊企画 巡回展)

1226()1231()

12F

年末休廊

※ 開廊時間 ギャラリーヒルゲート(1F) カフェ・ギャラリーヒルゲート(2F):正午~午後7時(最終日は5時まで)

 



2022年ヒルゲート夜話市民講座  










ヒルゲート倶楽部会員の方は5% off

Bコース  開催時間は各々に異なります

田島征彦(絵本作家・染色家)「『なきむしせいとく』―沖縄戦を経験して」

会場変更しました 618()18:3020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)

※田島征彦先生のトークが早くも定員に達したため、会場を変更することとなりました。

定員110名に増えましたので、皆様のご参加を心待ちにしております。

6月18日18:30~20:00(受付18:00~)

参加費:1,000円(学生500円) 定員:110名(要予約)

会場:ウィングス京都(京都市男女共同参画センター)

2階セミナー室 A・B

〒604-8147 京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262番地

075-212-7490(代表)

※お申込は下記の連絡先(ギャラリーヒルゲート)までご連絡ください。


岡村幸宣(原爆の図丸木美術館 学芸員)

「原爆の図 前史-赤松俊子(丸木俊)と丸木位里の絵画の出会い」

729()18:3020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)


松谷武判 トーク

「滞仏56年の思い出」(仮題

併せてポンピドゥーセンター個展の記録フィルム上映

101()17:0019:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)


対談 池田良則(画家)×徐京植(作家・東京経済大学名誉教授)

「沖縄を語る」(仮題)

1216()18:0020:00 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)


Aコース 

尾崎眞人 (京都市美術館 前学芸課長) 

※今年は第2金曜日に変更します。ご注意下さいませ。

1 1014() 2 1111() 3 129()

今年のテーマ、各回のタイトルは決定次第Webサイト等にて発表致します。

 

いずれも19:1020:40 ギャラリー1F 参加費1,000(学生500) 定員30(要予約)

 

★ご予約はメール又はお電話にて承っております。

ご来廊の際にスタッフへお申し出くださっても結構です。

皆様のご参加をお待ちしております。

mail : hillgatekyoto@gmail.com

tel : 0752313702


ギャラリーから 

■蒸し暑くなってきましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?

新型コロナの長いトンネルにようやく少し光が見え始めたかと思うと、一方でウクライナでの侵略戦争という 悲劇が起こり、私たちが生きている世界の土台の不安定さを改めて実感する日々がつづきます。

このような時代にこそ、芸術は必要なのだと信じたいと思うのですが、皆様はどうお考えになるでしょうか?

■今年は丸木俊さん生誕110年に当たります。

開廊当初から夫の位里さんと共に毎年展覧会を開いてくださり、何も知らない素人画廊を導いて下さった俊先生。生前の優しくユーモアに溢れた表情や声が今も聞こえてきます。その青春を過ごされた「池袋モンパルナス」は第2次世界大戦に向かう中でのつかのまの自由と芸術の熱気に溢れた時間、空間だったのかもしれません。

同じく池袋モンパルナスに暮らした作家たちの作品を共に展示し、偲ぶ場としたいと思います。

■司修先生の名作絵本『まちんと』原画を展示致します。

広島で死んだ少女を描いた『まちんと』(松谷みよ子・文 偕成社刊)1978年刊行以来、今も広く読まれています。この原画は個展の後、東京のある美術館に収蔵が決定していますので、関西で見ていただく最後の機会になるかもしれません。新作絵画もあわせて御高覧下さいませ。

■フランス在住の松谷武判先生が神野立生先生と二人展を開いて下さいます。

元「具体」のメンバーで‘66年以来パリを拠点に国際的に活躍されている松谷先生。2017年にはヴェネチア・

ビエンナーレに招待出品され、2019年にはパリのポンピドゥセンターで個展が企画、展示されました。

85歳になられた今も現代美術の最先端を走りつづける松谷先生の世界は、京都に、私たちに大きな刺激を与えてくれることと思います。

御来廊の前には、ホームページ等で変更をお確かめ下さいませ。

新型コロナの影響で、展覧会や講座の変更・追加のある場合は、ホームページにてお知らせいたします。

お電話でのお問い合わせもお受けしておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2022年 6月              (人見ジュン子)



(1F・2F)第18回 颯々展 ー日本画ー

1F・2F【第18回 颯々展-日本画-】
2022年5月24日(火)~5月29日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)
’22颯々展-日本画- 表’22颯々展-日本画- 裏

〈出品作家〉
石原 貴暉  大矢 眞弓  亀山 玲子  岸本 裕子
小西 達子  谷井 俊英  牧野 良美  渡辺 章雄

石原 貴暉 (ISHIHARA Yoshiteru)
1972 日展 初入選
1988 創画展 初入選(奨励賞‛04・‛05)以後出品
    京展 京展賞(市長賞2回、栖鳳賞2回)
    日本画「京の今日展」・「きのう京あす展」・「こころの京都百選」・
     「京に生きる琳派の美」出品
2021 創画展 創画会賞

大矢 眞弓 (OYA Mayumi)
1974 京都市立芸術大学日本画科卒業
    創画展入選(以後出品)
1979 春季創画展 春季展賞(‛81、‛85にも受賞)
1988 川端龍子賞展 佳作賞
他、セントラル美術館日本画大賞展、青垣日本画展、京展、
個展・グループ展など

亀山 玲子 (KAMEYAMA Reiko)
1974 京都市立芸術大学日本画専攻科修了
1974~77,84,86 春季創画展
1985 東京セントラル裸婦大賞展 優秀賞
2008 京都美術ビエンナーレ:「源氏物語」大賞
他、京展、川端龍子賞展、青垣日本画展、京展、個展、グループ展など

岸本 裕子 (KISHIMOTO Yuko)
1973 京都市立芸術大学日本画科卒業 京展入選(‛78、‛80に受賞)
1976 京都府日本画美術展 新人賞
1977 日展 初入選
1980 東京セントラル美術館日本画大賞展 佳作賞
他、日春展、上野の森美術館大賞展、大三島美術館選抜展、
個展・グループ展など

小西 達子 (KONISHI Tatsuko)
1977 京都市立芸術大学日本画専攻科修了
1977 創画展(‛97まで出品)セントラル美術館日本画大賞展   1987 京都日本画家協会選抜展 佳作賞
1988 京都画壇日本画秀作展
他、京展、青垣日本画展、川端龍子賞展、京都新聞日本画大賞展、
個展・グループ展など

谷井 俊英 (TANII Toshihide)
1974 京都市立芸術大学日本画専攻科修了
1978 創画展に出品(以後10回展から毎回入選)
1994 川端龍子賞展 大賞
2006 創画展 創画会賞受賞、(‛09,‛10にも受賞)、会員に推挙
創画会理事、二条城障壁画模写に従事、他、京展、セントラル美術館大賞展など

牧野 良美 (MAKINO Yoshimi)
1972 京都市立芸術大学美術学部日本画科卒業
1976 創画展初入選
1978 東京セントラル美術館日本画大賞展 佳作賞
1980 春季創画展 春季展賞
他、川端龍子賞展、京に生きる琳派の美展、個展・グループ展など

渡辺 章雄 (WATANABE Akio)
1972 新制作協会展日本画部(現創画展)初入選 以後出品
1974 京都教育大学教育専攻科修了
1998 創画展 創画会賞受賞 (‛07,‛08にも受賞)、会員に推挙
2000 川端龍子賞展 大賞
他、圓光寺襖絵制作、京展、上野の森美術館大賞展、
個展・グループ展など

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黒田冨紀子~卒寿を迎えて~

1F・2F黒田冨紀子~卒寿を迎えて~】(二紀会委員)

2022年5月17日(火)~5月22日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)
’22黒田冨紀子~卒寿を迎えて~ 表’22黒田冨紀子~卒寿を迎えて~ 裏

黒田 冨紀子 Fukiko KURODA
1931 神戸市に生まれる
1954 京都市立美術大学西洋画科 卒業
        〃        専攻科入学
1955        〃        専攻科中退
1955〜1959    〃         研究室助手勤務
1958 京都朝日新人展 出品
1961 京展 (京都市美術館)中部日本新聞社賞受賞('63紫賞)
1985 関西二紀展 会員賞 受賞('88,'92,'94,'95,2012)
1986 講演 「ボテロと私」(大阪大丸ミュージアムサロン)
1988 第42回二紀展 会員賞 受賞
    美術選抜展 ('89,'90,'91)
    日仏現代美術展
1991 第45回二紀展 女流画家奨励佐伯賞 受賞
1994 第48回二紀展 鍋井賞 受賞
2012 第66回関西二紀展 成井賞
2014 京展審査員('15)
2021 黒田真里・黒田冨紀子 
    -真里・冨紀子が描く食卓から花も景色も-
   (あべのハルカス近鉄本店 アートギャラリー/大阪)
他、個展、グループ展多数

現在 二紀会委員、日本美術家連盟会員、紅梅アトリエ

パブリックコレクション
 京都府立ゼミナールハウス 「驟雨」
 聖ヨゼフ医療福祉センター 「POISSON」「遠い道」
 神戸アイセンター 「いろいろな世界」「海辺の日曜日」
 京都オアシスリハ 「ネムの咲く頃」「十二支と子ら」
 堺市文化観光局文化部 「Waiting for the moon」
  
黒田冨紀子の作品世界について  尾﨑眞人(前京都市美術館学芸課長)
京都市美術館の友の会として、先生のアトリエに伺い、学生時代の作品を見せてもらったのは十二年前であった。黒田冨紀子さんは義父黒田重太郎さんの画室で作品を描いていた。
黒田冨紀子さんの描く世界は、自らを取り巻く世界を、いとおしく描いている作品が多い。
私が見た黒田冨紀子さんの作品世界は、三つに分かれる。第一期と考えられる1980年代に描かれたのは、親子像であろうか、毛糸の戻しを描いた「つながり」は、毛糸でつながれた親子だけではなく、右手で引かれて動く毛糸と壁にしつらえられた窓との、空間の広さが感じられて心地よい。
そして「賑やかな食卓」(1992年)が描かれた第二期の時代は、家族食卓を描いた一族集合像である。そこでは、描かれた全員が、ワインを飲んでいる。名前のわからぬ黒猫にも一匹魚が与えられている。以後、彼女の作品には、必ずこの黒猫が、登場してくる。窓の外をのぞくと、オレンジ色のシトロエンと思われる車が、見える。一家はこの車で、この食卓まで来たのであろう。
赤いシトロエンは「湖畔の日曜日」(2000年)などで描かれる。左ハンドルの運転席には、必ずサングラスをかけた女性の運転手と、その隣には眼鏡をかけた男性が描かれている。そして数名女の子が後部座席に描かれる作品が多い。黒田家の日常ではなかろうか。
そして現在までつづく第三期になると、家族の思いでが、時空間の多層性画面の中で描かれてくる。その多くの作品には作者と思われる母親像と、金太郎の腹かけを着用している赤ん坊像や子供像を中心とした人物像である。いくつもの思い出を一つの場面へと昇華することで作品が出来上がっている。今日描かれる作品は、過去と今日、そして明日をも捉えた作品である。黒田冨紀子さんの人生をさらけ出した作品たちが、どのような意味を見る人にもたらすのか、楽しみである。


黒田冨紀子先生の個展は、当画廊では2009年以来4度目となります。2012年からは夫、黒田暢先生との二人展や、三人の娘さんを加えた5人展等も4度開催しました。その間に、暢先生が亡くなり、三女の三紀さんが交通事故死なさるなどの御不幸がありましたが、その都度冨紀子先生は涙にくれながらも更に明るく、暖かい作品を描きつづけて下さいました。
焼け跡の神戸から京都美大に通い、様々な困難を乗り越えて制作しつづけてこられた作家の強さが、そのユーモア溢れる画面から見る者の心に伝わる気がします。
卒寿を迎えられた女性作家の軌跡をどうぞ御高覧下さいませ。 
                            ギャラリーヒルゲート

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(1F)野上徹展 Above and Beyond 3 目論みの試み -地点の行方-/(2F)さわらぎさわ 絵本原画展

1F【野上徹展 Above and Beyond 3 目論みの試み -地点の行方-】(日本画)
5月10日(火)~5月15日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)

’22野上徹展 表’22野上徹展 裏

野上 徹  / Nogami Toru
1977 奈良県生まれ
2003 大阪芸術大学 大学院 芸術制作研究科 修士課程 修了
    第 48 回 大阪美術協会展 精励賞
2004 春季創画展 /09ʼ 10ʼ 春季展賞
    秋季創画展 /14ʼ 16ʼ 奨励賞
2011 野上徹 個展 / 同 12ʼ 16ʼ 18ʼ 21ʼ / ギャラリーヒルゲート
2012 上野の森美術館大賞展 / 同 13ʼ 14ʼ 15ʼ
2013 第 5 回 京都日本画新展 / 同 15ʼ 17ʼ
2014 京都日本画家協会第 2 期展 奨励賞
2015 現代の日本画-世代をつなぐ-/ 同 18ʼ 20ʼ 22ʼ
2019 いまのいま-見渡す絵画-/ 原田の森ギャラリー
2021 いまのいま 現を辿る 夢に触れる / 神戸アートビレッジセンター
    未景 御寺・ART・いのり 2021 あかるい水になるように / 泉涌寺
2022 京都日本画新展 2022 大賞 / 美術館「えき」KYOTO

URL : http://www.nihonga-nogami.jimdo.com/

うつろいゆく景色。心の奥深くにある心象風景。それらは時間の経過とともに表出される。
制作過程で多用する「にじみ」は自然が作り出す自然の作用で、「にじみ」には「うつろい」がある。
その作用に適した紙と岩絵具で、理屈ではない「何か」が宿ればいいと思っている。

In my work.I wish to produce non-theoretical forms.Moving views.
An imagined scenery that can only be found deep within the heart Exposed and changing as time goes.
Nijimi, is a natural effect created by water, and is frequently used in the painting process.
Nijimi, is a technique that is always 'moving' and 'changing'.
Traditional Japanese pigments and paper lend itself well to this technique of painting.

もの思いにふけるかのように佇立する枯れた草や暗鬱な空から、木漏れ日を映す水面や何処ともしれぬ森と水へと野上さんの描く画面は変化してきました。2012 年以来当画廊では 5 度目の個展となる今回は、過去から現在、未来を展望する場としたいと思います。葛藤する若い作家の軌跡を御高覧頂ければ幸いに存じます。

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2F【さわらぎさわ 絵本原画展】(日本画)
5月10日(火)~5月15日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)

’22さわらぎさわ 絵本原画展

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平岡靖弘展 ―虚ろう風―

1F・2F【平岡靖弘展 ―虚ろう風―】(独立美術協会 会員)
2022年5月3日(火)~5月8日(日) 
12:00~19:00(最終日~17:00)
’22平岡靖弘展ー虚ろう風ー画像面’22平岡靖弘展ー虚ろう風ー宛名面

平岡靖弘 Yasuhiro HIRAOKA 略歴
1943年 京都市に生まれる。京都市立美術(現芸術)大学卒業
1993年 第36回安井賞展 安井賞受賞
     京都市芸術新人賞 第27回現代美術選抜展(文化庁)
1998年 日本秀作美術展(~’03年)
     個展 ―風と大地の遥―(紀伊国屋画廊)
2000年 「両洋の眼」展 河北倫明賞受賞(~’02年、’07~’09年)
     十果会参加
2004年 京都府文化賞功労賞
     個展 ―風の棲処―(高島屋東京、京都他)
2007年 京都美術文化賞受賞 ‘08年受賞記念展(中信御池ギャラリー)
     個展・グループ展 多数開催

現  在   独立美術協会会員


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