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2020-10

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(奥庭空間)貴志在介 -Dimention-

【貴志在介 -Dimention-】(立体インスタレーション)
2020年9月29日(火)~12月27日(日)
12:00~19:00 ※月曜日休廊
→ヒルゲートの2階奥のカフェスペースからベランダへ出て頂くと、外階段から奥庭空間へ降りてご鑑賞頂けます。
貴志在介 -Dimention-表12

貴志 在介 Arisuke Kishi 2008年 京都精華大学芸術学部卒業 個展歴 2013年 貴志在介展 ~言の葉いずる表情者たち~/ギャラリー自由空間 2015年 企画展 Kishi Arisuke Solo exhibition -The tribe- /同時代ギャラリー 2015-16 企画展 貴志在介 -uneven- 展/京都ギャラリー悠玄  共催:京都藝際交流協会 2017年 企画展 貴志在介写真展 -だーれだ。-/アートフォーラムジャルフォ 2017年 企画展 Metamorphose -この醜くも美しい世界 -/同時代ギャラリー 2019年 企画展「メメントからモメントへ/メメント・モリ/忘れ去られる者たち/モメントからメメント /同時代ギャラリー(京都) グループ展・公募展歴 2004年 リンク展(以後、2019年まで毎年出品) 2005年 第58回日本アンデパンダン展(以後、2006年、2007年)/京展05 (以後、07、09、13、17年) 2008年 全関西美術展/大阪市立美術館(以後、13、18年)/西宮市展(以後、13,15,18,19年) 2012年 日韓美術交流展(韓国) 2013年 アートレインボープロジェクト(ドイツ・ロストック) 2014年 立体造形2014(以後、15、16、17、18、19年) 2015年 アジアアートネットワーク・アワード (韓国)/EAST-WEST ART AWARD2015 (ロンドン)/ 第1回同じ刻を生きる作家展 (以後、16、18、19年)/日英欧アーティスト交流展 (ロンドン) 2017年 DIESEL LIVINGINSTALLATION THE WALL by GENETO Architect's (東京渋谷DIESEL)/ 安東美術協会-京都藝際交流協会 2017国際美術交流展 (京都) 2018 年 第4回藝文京 2019年 第33回三日展 継続は力なり 2020年 Exhibition of the artists living at this moment 2020


貴志在介 -Dimention- ステートメント
 この度は、「貴志在介展 Dimention」へご来場くださり誠にありがとうございます。この展示の機会を頂いたのは今年3月頃で緊急事態宣言前でした。その頃コロナの問題は不透明で、自身が参加している展覧会がどうなるのかすら話し合う前のことで、今のような状況を想像もしておりませんでした。その後、緊急事態宣言が発令され展覧会は相次いで中止になり、確実に残された展示の機会はこの奥庭空間での展示だけでした。しかしその後の京都市の奨励金で8月にグループ展を開催することになり、逆に6・7・8月と多忙となり、この展示を一カ月延期しました。その中で、考える時間が増え、この奥庭でなにができるのか、なにを求められるのかをじっくり考えることができました。しかし、答えが出ないまま8月末を迎え、とうとうやばいとなった時に今回のプランがふと出てきたのを記憶しています。
 なぜ、今回のような作品になったのかと申します前に、今展のタイトルのDimentionの意味をまずは説明したいと思います。“Dimention”とは寸法、面積、広がり、容積、大きさ、規模、範囲、程度、重要性など多くの意味を持ちます。また、特質、様相などを意味し、次元とも意味します。「of one dimension」 となれば、「線の」「一次元の」という意味になります。
 そのような意味から着想を得たのが、コンパネを12mmでカットし、それを線(1次元)に見立て、空間を作ってはどうかということでした。それら線が自在に組み合わさることで現場に応じた自由な空間を演出できると考えました。この庭でどれだけ自由に造形、演出できるかを考え、敢えてこの素材としたわけです。今回の素材はコンクリートパネル(合板)を利用しています。コンパネはホームセンターなどでよく目にしますが、コンパネの特徴は一つに安価であるということです。これは非常に大事な要素で、材料が高価だと今回のようなスケールの大きな作品はお金のない作家には予算が間に合わず自身のイメージを実現できないことが多いからです。これはインスタレーション作家や彫刻家に多いかもしれません。また12mmという厚みは思っている以上に強度があります。9mmだとポキポキ折れますが、12mmだと折れるけど力を入れないと折れない。そのギリギリのところがこの12mmだと思います。それらが組み合わさればかなりの強度が出ることも一つです。多少の台風などビクともしないでしょう。そして組み合わせるのが非常に簡単であり、そして軽い。高所の作業なので片手で持てるどころか、指二本で持てることも条件としました。更に、崩れても危険性が非常に少ない。短冊であるからこそ崩れる心配はほとんどない。また、撓りがあるので、点で設置点を作れ、全体の圧力によるパワーバランスを分散できることも一つです。ですので、今回の作品の総重量は500㎏ですが、木や地面にこれらを設置しても圧は分散されそれほど木などに大きな圧力がかからないと考えました。短冊なので保管のスペースを取らないし、即興で制作を開始できる点も利点です。これら条件を考えると、2500本もの棒を用意するには鉄でも石でも不可能ですし、他の木材であれば高価になり材料を大量生産できない。また、2500本近くの棒を用意する手間も非常に楽なので時間を省けます。
 そして、今展では彫刻としての在り方とインスタレーションの在り方を提示することが念頭にありました。この作品は一つとして彫刻でありインスタレーションです。その彫刻性は作業の工程にあります。それは構造を保ちながら組み立てるところにあります。そして、この場(庭)と組み 合わさることで、その場にしかない空間性、その立体によって占められる空間性によってインスタレーションとしての存在を放てるのではないかという実験的な試みです。これは概念的な意味を持たせるものではありません。彫刻性にはまた別の意味があると考えています。私が思う彫刻性とは素材や組み立て、いわゆる構造と造形です。ですので、今展では現場でその為に特化した素材を組合すことに造形性があり、その造形性が彫刻の意味を放ちます。それは決して概念的な意味ではありませんし、唯物的な意味を持ちます。ですので、この一本の棒を線に見立て、その線の無限な組み合わせの中で、場を見ながらパースペクティヴな面と、彫刻という属性を同時に演出することを意図としました。その為には、特にこのような場では、その場で作品構成を考えるほうが適していると思います。搬入時間も2週間いただき、ギャラリーや美術館ではできないインスタレーション彫刻を目指しました。
 わたしの今回の試みは、彫刻表現とインスタレーション表現を極力与えられた条件で出し切ることを目的としています。これは美術と芸術という言葉の狭間の戦いかもしれません。ですのでDimentionという意味からも、一つの構成する要素として線を組み合わせることに造形性があり、また線は場を作る要素にもなるというのが今回のテーマになっています。そして予めどのように組んでいくかは決めずに現場入りすることで、現場で考え、その場の空気とスケールを考えながらの作業で少しずつ組みあがっていく工程がインスタレーションであり、また彫刻だと思います。なので、大幅な変更があったり、組んだものを再度解体し組み直す作業もありました。制作中にも関わらずご来場下さった方々とお話する中で見えてきたこともあり、そのような意味でもここでしか作れない作品になったと思います。
 最後にこの展覧会を企画して頂きましたヒルゲートの人見ジュン子氏に心より感謝いたします。新たな挑戦の場を頂けたこと、不甲斐ない私を厚く見守っていただけことに限りない感謝を申し上げます。またギャラリースタッフの皆様にも心遣いして頂き大変助けられました。ありがとうございます。コーヒーの一杯一杯が心に沁みました。もちろん一人では設置できませんので、設置作業を助けて下さった仲間たち、廣田聡一郎氏、川内珠美氏、ヤマゲンイワオ氏、ブノア氏、そして、作業風景をビデオ撮影していただきました大西正彦氏にも大変感謝しています。
 私の作品をこれまで観てくださった方々にすれば、今展はこれまでとはかなり異なる作品ではあります。いつも言うような社会的コンセプト文がありませんし、具体的なイメージも見せていません。しかし、変化自在な私という一人の人間を観て頂ければ幸いですし、それ以上に無垢にこの作品を楽しんで頂ければ何よりも幸いでございます。決して完成した作品ではございませんが、引いたり近づいたりして、ゆっくりと眺めて頂ければと思います。今展にご協力していただきました皆様に心より感謝いたします。
                                                                   2020年9月29日 貴志在介




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